立派なマニュアルを作ったのに、誰も見ない。新人は結局ベテランへ質問し、担当者が替わるたびに引き継ぎがやり直しになる。原因は文章量ではなく、仕事の現場とマニュアルが切り離されていることです。
使われるマニュアルには五つの要素があります。
- 入口が明確。「いつ、何をきっかけに始める業務か」を書きます。
- 完了条件が明確。「何ができれば終了か」を示します。
- 判断基準がある。分岐条件と、迷った場合の確認先を記載します。
- 例外と証跡がある。トラブル時の動きと、残す記録を決めます。
- 更新者が決まっている。現場でズレを見つけた人が、誰へ修正を依頼するかを明示します。
画面操作を一枚ずつ説明しても、判断が書かれていなければ仕事は止まります。反対に、判断と完了条件が明確なら、ツールの画面が多少変わっても対応できます。
作り方は、詳しい人へ長文を書いてもらうより、実際の作業を横で見ながら質問する方が効果的です。「次に何を見ていますか」「どの状態なら止めますか」「過去に困った例はありますか」と聞き、作業と判断を分けて記録します。
公開後は、新人または別担当者に実行してもらいます。質問が出た箇所は、利用者の理解不足ではなくマニュアルの改善点です。更新日と変更理由を残し、短い周期で直します。
マニュアルの目的は、知識を保存することだけではありません。誰が担当しても、一定の品質で仕事を再現できる状態をつくることです。最初から全業務を対象にせず、質問が多い、ミスの影響が大きい、引き継ぎ予定がある、のいずれかに当てはまる一業務から始めましょう。
仕組化ラボでは、業務を工程に分け、作業、判断、役割、記録を整理し、現場で実際に回して定着するまで支援します。
