最初にネットワークを切断する
偽のサポート担当者に指示され、遠隔操作ソフトをインストールした場合は、まず相手との接続を止めます。Wi-FiをオフにするかLANケーブルを抜き、端末をネットワークから隔離してください。相手との通話も終了します。
ソフトを閉じただけでは、常駐設定や追加されたアカウントが残っている可能性があります。すぐ削除や初期化へ進む前に、何が行われたかを記録します。
記録する内容
- 警告が表示された日時とURL
- 電話番号、通話時間、相手の名乗り
- インストールしたソフト名
- 表示された接続ID
- 遠隔操作を許可した時間
- 相手が開いた画面やファイル
- 入力したパスワードやカード情報
- 支払いの有無
- 端末で使える会社サービス
スマートフォンで画面を撮影し、通話履歴、メール、レシートも保存します。分からない項目は推測せず「不明」と残します。
アンインストールだけでは終われない理由
遠隔操作中、相手は別のソフトを入れる、管理者権限を得る、ブラウザに保存された情報を見る、セキュリティ設定を変えるといった操作を行う可能性があります。最初の遠隔操作ソフトを削除しても、別の変更まで元に戻るとは限りません。
少なくとも、インストール済みアプリ、Windowsユーザー、ブラウザ拡張機能、スタートアップ、タスクスケジューラ、Windowsセキュリティ、リモート接続設定を確認します。業務端末では自己判断でネットワークへ戻さず、管理者に確認を依頼します。
パスワード変更の順番
侵害が疑われる端末ではなく、安全な別端末を使います。最初に会社メールや個人メール、その次にMicrosoftやGoogleなどの基盤アカウント、クラウドストレージ、会計、顧客管理、ネットバンキングなどを確認します。
同じパスワードを使い回しているサービスも変更し、不明なログインセッションを終了します。復旧用メールアドレス、電話番号、メール転送、多要素認証が変更されていないかも確認してください。
ファイルを見られた可能性がある場合
遠隔操作中にエクスプローラー、メール、ブラウザ、共有フォルダーを開かれた場合、どの情報へアクセスできたかを整理します。実際に持ち出されたか分からなくても、顧客情報、従業員情報、契約書、認証情報など、端末から見える範囲を特定します。
会社では、情報漏えいの可能性を経営者や管理責任者へ報告します。顧客や関係機関への連絡要否は、確認できた事実と影響範囲を基に判断します。
初期化や再セットアップの判断
遠隔操作の内容を追えない、管理者権限を渡した、複数のソフトを導入された、セキュリティ機能を無効化された場合は、端末の初期化や再セットアップを検討します。
ただし、先に必要な業務データと証拠を保全し、バックアップ自体が安全か確認します。不審な実行ファイルまでバックアップして戻すと問題を再現する可能性があります。組織端末は会社の復旧方針に従います。
金銭情報を扱った場合
遠隔操作中にオンラインバンキングやカードサイトへログインした場合は、金融機関やカード会社の公式窓口へ連絡します。相手が見ている状態で入力した情報は、画面を共有していなかったつもりでも安全とは限りません。
不審な送金、追加カード、振込先登録、利用通知を確認します。「返金処理」と称する追加操作には応じません。
復旧後の再発防止
- 一般社員に管理者権限を常用させない
- 遠隔操作ソフトの導入ルールを決める
- ソフトのインストール履歴を管理する
- パスワードをブラウザだけに依存しない
- 多要素認証を設定する
- 偽警告時の連絡先を社内へ周知する
- 定期的なバックアップと復元確認を行う
「遠隔操作を一切禁止する」だけでは、正規保守も使えなくなります。誰が、どの契約に基づき、どのソフトで接続するかを事前に決めます。
よくある質問
ソフトを削除すればネットへ戻してよいですか?
別の変更が残っている可能性があります。特に会社PCでは、確認が終わるまで隔離を続けます。
相手が何を操作したか覚えていません
通話時間、ブラウザ履歴、インストール日時、アカウント履歴から確認します。不明な点を無理に断定する必要はありません。
パソコンを買い替える必要がありますか?
必ず買い替える必要があるとは限りません。影響範囲と復旧可能性を確認し、初期化、再セットアップ、交換を比較します。
端末だけでなく会社全体への影響を確認します
メカの相談窓口では、遠隔操作ソフト、認証情報、会社メール、クラウドサービスの影響を順に切り分けます。何をされたか分からない場合も、分かっている事実から復旧の優先順位を整理します。
